講習会・勉強会

2019年11月2日(土)自動車開発・製作セミナー 「競技車両見学編」於ツインリンクもてぎが実施されました。

2019年11月2日(土)、学生フォーミュラ大会に参加する学生を主な対象に自動車開発・製作セミナー「競技車両見学編」が開催されました。本講座は自動車技術会が発行している『自動車開発・製作ガイド』(いわゆる”青本”)の一環として、この内容を学んだ人達の総仕上げと位置付け日本のレース界のトップカテゴリーの車両を間近に見学し、また参戦チームのエンジニアとのコミュニケーションを取ることにより各校のマシン製作に資する事を目的としています。

今回はGTアソシエイション様のご協力により、2019 AUTOBACS SUPER GT Round8 MOTEGI GT 250km RACE GRAND FINALにて、セミナーを実施させていただきました。

講座の内容はこちらをご覧ください。今回は東京大学チームと東京理科大学チームにご参加いただきました。

【参加者のリポート】(東京理科大学 TUS Formula Racing: リョウ カン リン)

今回、私たち東京理科大学は一年生三人でツインリングもてぎにて開催された自動車開発・製作セミナー競技車両見学に参加させていただきました。

初日の午前はコントロールタワーの見学をさせていただきました。初めてサーキットのコントロールを見て、レースの最中に何か発生する際、判断がくだる前にコントロールタワーの皆様がどのように行動するかという過程の説明をしていただきました。その中で、レースオフィシャルがレースの安全性と公平性をどのくらい重視しているかを実感しました。

そのあとに #34 Modulo KENWOOD NSX GT3 と #16 MOTUL MUGEN NSX-GTのピットエリアを見学させていただきました。

 

車両やそれに関する疑問点について、丁寧にご説明をしていただきました。また、自分の目でGT500とGT300の違いがよくわかりました。それだけでなく、ピットエリアの清潔さが作業の安全性に繋がれていることも理解しました。

その後、ドライビングスタンダードオブザーバーの岡田秀樹様のご案内で、FIA-F4のパドックの車両見学をしました。そこで驚いたのは、F4の車両の構造と統一性でした。どのチームもほとんど同じパーツを使うことで、ドライバー同士が公平に戦えます。エアロパーツの端の小さな小さな折り目(1センチ程度?)でさえ厳格に同規定され、しかもその空力効果がとても効果的と聞いて驚きでした。構造上もオープンホイールのコクピットで、学生フォーミュラと似た感じでした。カテゴリは異なりますが、ドライバビリティに関する考え方など、今後の開発にぜひ参考にしたいと思いました。

見学していたピットでF4チャンピオンの佐藤蓮様、女性ドライバーの小山美姫様にお話を聞く場面も有りました(偶然です)。良いエンジニアの条件は「気が利くこと」、「(ハンドルを)切って曲がって、(アクセルを)踏んで滑らないクルマが理想」など、ドライバー目線の深い言葉をいただきました。

最後に、nismo元総監督柿元様からお話を伺いました。私たちから素朴な質問を一つ一つ丁寧に答えていただき貴重な経験となりました。チームプロジェクトの上で、「やる」ということはどのぐらい重要なことも心得ました。また、nismoチームのプロジェクトの進行やマネジメントについて、貴重な資料も見せていただき、現役チームの皆様からもご説明いただきました。

今回の見学は、一生の中で絶対忘れることのない体験になりました。車両作りに関する技術的な話のみならず、チーム運営に関するアドバイスもたくさんいただき、車両設計の勉強モチベーションが非常に上がりました。自動車技術会がこのような場を設けていただき、心より感謝を申し上げます。