学生フォーミュラ大会ではマシンを審査するにあたり、ユニークな方法が設けられています。「コスト&製造審査」はその一つです。高性能なマシンは、はっきり言えばコストをかければ作ることができます。いいエンジンやいい材料は、その性能に比例して値段も張るからです。しかしそれでは資金力のあるチームが有利となってしまいます。
当大会の「コスト&製造審査」では、マシンをどれだけ低いコストで作ることができたかを審査されます。現場では、事前に提出されたコストレポート(使用した材料や加工費などが記されたもの)に基づきマシンが作られているか、またレポート提出後に設計変更し、変更箇所の材料や金額などの詳細を記した「追補」が正しいかどうかを審査します。
このコストの問題は、実際にクルマ作りにも共通することです。コストがかかれば、そのまま車体価格もに影響してしまい、いくらいいクルマでも販売台数を伸ばすことは難しくなります。いいクルマを低コストで作るためには、何より「考える力」が必要。学生フォーミュラ大会は、競技を超えて生きたクルマ作りを学ぶ場でもあります。