学生フォーミュラ大会の審査には「デザイン審査」も設けられています。デザインと言われると、単純にカッコいいかそうではないかの審美眼的に捉えがちかもしれません。しかし自分たちが作りたいマシンは「高速性能を優先しているのか」「コーナリング性能を優先しているのか」「パワー重視か」「燃費重視か」といったコンセプトがあり、それらを具現化することがここでいうデザインなのです。
審査では、例えばフレームの形にしても「なぜその材料を使ったのか」「作る際にどれくらいのコストがかかるのか」「その設計でどのような性能を走行性能を発揮できるのか」「工夫箇所はどこか」といった細かい点を見られます。また、「そのパーツは市販化できるのか」といった審査基準も、大会ならではのユニークなポイントと言えるでしょう。
マシンを作るにあたって、一つ一つの部品にはコストがかかり、加工をするのにもまたコストが必要。意味のないパーツや設計は車体価格をいたずらに増やすだけです。一つ一つに意味があり、なおかつ誰もが納得する機能を有していること、そしてきちんと説明できること。それがいいデザインの要件と言えるでしょう。