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初代ロードスター開発主査の貴島孝雄氏「教室の中だけではエンジニアは育たない」

全日本 学生フォーミュラー大会には、自動車業界の中でもレジェンドと言われる人物を見かけることもあります。1989年に登場し、世界的に爆発的なヒットを記録した初代ロードスターの開発主査を務めた貴島孝雄氏は現在、山口東京理科大学 工学部 機械工学科の教授を務め、同大学の学生フォーミュラチームのファカルティアドバイザーとして活躍されています。

「全日本 学生フォーミュラ大会は、学生が一人のエンジニアとして育つには最高のフィールドだと思います。優秀なエンジニアは教室の中だけでは育たないのです」

学生フォーミュラの車検は非常に厳しい技術的な要件が課され、突破は容易ではありません。しかし貴島氏はこう言います。

「車検が厳しすぎるのではと思うかもしれませんが、これは企業のエンジニアになった際に必ず役に立つ経験です。エンジニアはいろいろな制約が課された中で、ものづくりに励まなければなりません。またコスト審査が設けられていることもいい経験になると思います。市販車の開発でコストが高ければ、そのまま販売価格も高くなってしまいます。コストをかけずに自分たちの知恵で解決する、あるいは作ることで優秀なエンジニアの下地ができていくのです」

最後に優秀なエンジニアになる条件を聞きました。「まずは整理整頓。そして自分の至らないところを受け入れる素直な心を持つこと、そして理論を知ることです」