大会実行委員会副委員長であり動的イベントリーダーでもある中澤広高さんからリレーエッセイが届きました。
自己紹介
中澤 広高(本田技術研究所)
1960年代生まれで1980年代にホンダに入社して以来、様々な自動車レースに携わり、カテゴリーはツーリングカーからフォーミュラカーまで、パーツ製造・メカニック・エンジニア・ドライバーと数々のレース関係の仕事を27年間経験しました。中でも社内クラブチームでの活動は「学生フォーミュラ」と同じ様に、自分達でくるまづくりの全てを行いレースに参加しており、新人当時、仕事に必要な車一台分の基本技術スキルが身に付き、大変有意義な活動でした。
趣味はアルペンスキーで、シーズン中の毎週末は親子で楽しみながら練習と大会に奮闘しています。
学生フォーミュラとの出会い
2007年イギリスでF1の仕事をしていた時、当時のホンダF1チーム代表のロス・ブラウンの「将来のF1エンジニアを育てよう」の声がけで、イギリス・シルバーストンでの大会を初めてサポートを行いました。当時、私は学生フォーミュラに関しては何も知識がなく興味本位で参加しましたが、初めて目の当たりにする学生たちの活動のレベルの高さには驚きで、このままチームで働かせたいという衝動にかられたのを今でも覚えています。
大会との関わり
2009年第三期のF1撤退と共に日本に帰国、帰国部署の先輩の勧めで学生フォーミュラの担当となりましたが、当時、学生フォーミュラ活動の知識もまだ浅く、審査スタッフから修錬を重ね、やっと今日に至っております。
現在、運営では大会を安全確保を最優先とした、円滑かつ質の高いものづくり検証の場になることを目指し、大会実行委員会副委員長・動的イベントリーダー・大会戦略企画委員長と携わっています。特に私の得意とする動的で感じる所は、良い車両は物理的に当たり前の事をちゃんと押さえてきていて、車体・動力・空力・タイヤ全て高次元でのバランスが取れている事がとても重要です。車両のバランスが良くなく、ドライバーが苦労してドライブしている姿を幾度となく見かけます。バランスのセンサーとなるのがドライバーの感覚で、それら数多くの感覚情報をレベルでの数値化を行います。そして、そのデータを元に各パートでの改善を実走テストの中で繰り返し、“高次元でのバランス取り”の全体の改善を行い、車両の完成度を上げて下さい。
私の思い
最後に、みなさんは楽しんでこの学生フォーミュラ活動してますか?
活動において一人ひとりがそれぞれの“夢”を持ち、その実現に向け“全力を尽くし”“チャレンジする”と自然とその中から楽しさが生まれてくると思います。
みなさん、今年も楽しんで夏の終わりの熱戦を繰り広げましょう。
次回は車検リーダーの松浦孝成さんです。