試走会・テスト

まずレギュレーションを熟知すること、そして電装系処理に配慮すること

神奈川工科大学 創造工学部 自動車システム開発工学科 准教授 岡崎 昭仁

この時期、技術検査の視点から見ると、「規則を遵守した車両になっているかどうか」が大切です。特に大切なのは車体構造です。車体構造は、「安全同等等価構造計算書:SES」で事前に書類審査されます。実車を見せる以前に、SESを提出してしまえば、図面レビューになります。審査員がOKと判断した仕様で製作すれば、車検で不合格にはなりません(図面通りに製作できていない場合は仕方ありませんが)。

検査をしていて気になったことが二点ありました。

ひとつは「レギュレーションを十分に読み込んでいない」ということ、そしてもうひとつは「電装系が焼きそばのような状態だ」ということです。

レギュレーションは審査員をたじろがせるレベルまで読み込んでください。そして電装系ですが、こちらは実際に走行すると振動や熱で思わぬトラブルが生じるポイントです。まず、市販車のボンネットを開けてみてください。電装系はどう処理されていますか? 決して「焼きそば」のような状態ではないはずです。

とはいえ、この時期に車両を形にして試走会に臨んだ学生の姿に頼もしいものを感じました。よく「最近の若い者は・・・」などと言う人もいますが、将来を託せる若者がこんなにいるではありませんか。そう思いながら、「今日は日焼け止めが必要だったな」と反省しつつ帰途につきました。

電装系